車中は程よく込んでいた。 ちびの私は、 入り口脇の鉄の棒に捕まった。
押されて苦しくなりませんようにとなんとはなしに思っていた。
前のお席の目をつぶって休んでおられた方が、フット目を開けられ、「変わりましょうか?」と声をかけてくださった。
私のうちに暖かいものが流れはじめた。 「遠くはないので、お心ありがとうございます。」とお礼をいい辞退した。たったコレだけのことだった。
人の言葉から流れ出る波動に、私の内側が心地よい響きをかなではじめた。
心のうちに「どうかこの方に主の祝福がありますように」と祈り、下車した。
この日はズーッと、豊かな気持ちに、包まれていた。