硯に向かい 1人静かに墨をする。ゆっくり、のんびり心滑らかに、前に後ろに墨動かす。
この時の流れの中で、病癒され今日も生きて、動けることを感謝し、ゆったりと墨をする。
心地よい墨の香りに満たされて、書こうと思う言葉に思いをおく。どう表現すべきか、力強く、美しくしかも品位のある書を書くにはと、あれこれ思案する。充実した宝の時である。
構想も決まり白い紙に向かう。お気に入りの筆を一本選び、たっぷりと墨を含ませる。墨の香りもことさらに心地よく、この緊張する一瞬は、喜びのときでもある。一筆やおろす墨色も黒々と白い紙に生える。うん 是でよしと書き始める。
墨すって この時空で
好きな言葉に思いを運ぶ
穢れない白い半紙に
心新たにされて
おろす筆先緊張し
豊かなとき過ごす