考えてみれば 他者から命いただき、生きながらえている。じっくりそのことに思いをおくと、日ごろ口にするもの使うものに対して、仇や疎かにしてはならない。けれども現代は、物を大切にしなくなっている傾向が強い。もったいないという言葉すら、なんだか一昔前の言葉のように響いてくる昨今である。
食べるものに不自由した、戦後の苦しい時代ははるか昔のことのようになってしまった。私の子供時代は戦後で6歳だったので、物が乏しいときを体験している。だからやたらと物を捨てられないで、使っていないものまで処分できないで溜め込んでしまう。そのおかげでかたずかない。整理整頓するには、つかわないものは処分するなどしなければならないのに、もったいないそのうちまた使うこともあるからといい、溜め込んでいる。したがって、物であふれている始末である。この前一部屋、息子の部屋だったところを物置にしているのを見て、暮れになって休みになったら片付けて捨ててあげるといってくれた、もったいないなーという気持ちがあり、その前にとっておかなければと思ったりしている。死んでしまえば全てごみになるだろうに。